82 「和歌を用いた文語文教育」の事例報告紹介ーおみくじの和歌占い
「和歌を用いた文語文教育」の事例報告紹介ーおみくじの和歌占い 2月10日21時から、ZOOMによる研究会(「非母語話者のための文語文教育」プロジェクト、東北大学の佐藤勢 紀 子先生主催)がありました。ここにはあまり学問的なことは書かないようにしているのですが、今回はあまりにも楽しい内容だったのでご紹介します。 非母語話者というのは、少し難しい言い方ですね。具体的にいえば「日本語非母語話者」、つまり日本語以外のことばを母語としている人が、日本語を学ぼうとする時に、日本語の文語を教えるにはどうしたらよいかということを皆で考えてゆくことがこの研究会の目的です。今や日本人の日本文学科でも、文語は苦手といって、卒業論文に近代文学をとる学生たちが増えている時代、まして日本語が母語ではない留学生や外国で日本語を学ぶ学生たちに、現代日本語の口語ではなく、文語を教えるのはなかなか難しく、その方法を模索しているのです。 今回はその第八回目、「和歌を用いた文語文教育」がテーマ。お二人の先生が、その難しいアプローチにどういう方法で取り組んでいるかをお話し下さいました。 事例報告1は、西安交通大学の金中先生。「日本語文語教育における現代短歌の応用」という題で、学生たちに親しみやすい現代短歌を覚えさせ、その歌にみられる文語に注目して教えるという方法を中心にした内容でした。 金中先生は、かつて日本に留学して日本の和歌を研究対象とされ、中国に戻られてからも、日本の和歌や歌、とくにその音楽性に着目されて広く紹介し、生成AIに和歌を作らせて紹介するという実験的な試みは、いくつもの日本の新聞に取り上げられるというように、中国における日本の和歌研究では、最も先進的な研究者でいらっしゃいます。 多くの方々に知ってもらいたいというご意向があり、発表資料録画のリンクを下さいましたので、以下に貼り付けておきます。 https://mp.weixin.qq.com/s/z3GDnjSRz6Kj-pDcLc8uNQ 事例報告2は、成蹊大学、 平野多恵先生の「文語文教育における〈おみくじ・占い〉の可能性―自分のために和歌を読み解く」。 先生は、ゼミの学生たちと、講義の一環として、おみくじの和歌を調べ、ピックアップして、歌占いというサイトを立ち上げたというお話をして下さいました。歌占いは、大学