96 北国からの春便り
北国からの春だより
雛祭りが過ぎたのに、満開の梅に雪がちらつく寒い毎日が続きます。週二回のカルチャーの講座が、教室の工事の関係でしばらくお休みとなり、思いがけぬ冬休みをいただいてしまって、何をしようか、かえって時間を持て余し、何をしようかと考え、ふと着物を整理しようと思い立ちました。
母は、全く娘に似ていない(?)大変な美人でしたが、背が低かったので洋装が似合わず、よく着物を着ていました。それで私の結婚の時も、いろいろな着物を持たせてくれたのです。夫の転勤のたびに、梱包と荷ほどきが大変でしたが、若かったからできたのでしょうね。着付けも習って、時間ができたら、着物を着ようと思いつつ、実のところ特別な時にしか着る機会がないまま、現在に至ってしまいました。しかも帯をつけると、そのあたりが焼けるように熱くなってしまって、友人の結婚式の時など、ホテルの美容室にいって、着付けをし直してもらったこともありました。つまり体質的にも問題がありそうですし、簡単にさっと着付けをする技もないため、着物を着て仕事にゆくという選択肢はゼロに等しく、着物たちは、長いこと箪笥のなかで休眠していたのです。
断捨離を始めた友人は、業者に頼んだら一着1000円だったとか、高価な着物をたくさん持っていた叔母は老人ホームに入る時に、やはり業者に頼んだら、箪笥二竿で2万円だったとか、ちらほらと聞こえてくるのは、そんな話ばかり。思い出の品をそんな風に扱われるには忍びないので、知り合いで、着物に興味がある方に少しずつ譲ろうかと決心し、ふとおもいついて、北海道の従妹に聞いてみると、娘が三人いるので、もらってくれるという返事、血の繋がった身内に着てもらえるのは何よりなので、早速、若い頃の派手な着物をいくつか見繕って送りました。従妹というのは、いつも胡桃を送ってくれるみっちゃんです(ブログ15・50)。
彼女はとても喜んで、大切にします、次の週末に次女がくるのでファッションショーをします、とのこと。ああ、よかった。そのみっちゃんから、北国のお菓子が送られてきました。
「柳月」というメーカーのお菓子の被かす。北海道のお菓子というと、石屋製菓の「白い恋人」や「六花亭」が有名ですが、「柳月」も六花亭と同じく帯広に本社があり、昨年の夏に訪れたことがあります。けれど、みっちゃんは、さすがに北海道在住なので、期間限定のお菓子をよく知っていて、いくつも珍しいものを送ってくれました。少しだけ紹介しますね。
「三方六」は「柳月」の一番有名なお菓子で、チョコレートがかかっているものは知っていましたが、これは桃か桜をイメージした春バージョンです。まだまだ雪深い北国の春を先取りしたお菓子ですね。右は中身の一部。
こちらはチョコレートで木をかたどった「森の木」と「雪だるま」。
「雪だるま」の右には「山親爺」と説明があります。「山親爺」とは熊のこと、そして、昔、札幌にゆくとこれしかないというくらい有名な「千秋庵」の甘いお煎餅のことをいいました。現在、北海道にゆくと、本当にいろいろなところのお菓子があってどれを選んだらよいか迷うくらいですが、昔はそれ一つ、小学校のころ、母の実家のある札幌にいった時のことをを思い出す懐かしいお菓子でした。「雪だるま」は外側を「山親爺」で包んだ白い甘い雪だるま型のお菓子でした。さすがみっちゃん、北海道のお菓子については本当によく知っています。私など、地元横浜のお菓子の季節による特別バージョンなど何もしらないなあと思いました。
北国からの贈り物が届くと、同じ札幌にいた母方の祖母が、時々、バターやチーズ、酒の缶詰など、小学生の頃には大変なご馳走だった北の産物を箱一杯に詰めて送ってくれ、宝物のようなそれぞれを使って母がおいしい料理を作ってくれたことを思い出しました。遙か昔のことでした。
それにしても「千秋庵」はどうなったのでしょう。細かい事情はわかりませんが、「六花亭」と「柳月」に分かれたのかしら。 おまけに、昨年の夏、北海道ガーデンツアーで行った六花の森にある花柄包装紙館(坂本直行が描いた北海道の山野草をもとにした「六花亭」の包装紙の絵が壁紙となっている)の写真を載せておきますね。
さて、着物の方は、留袖や色留袖、喪服や振袖類などは最後まで残しておいて、娘に何とかしてもらうとしても、まだ全く袖を通していない、しつけ糸のついたままの紅型や大島は、放っておくと、亡き母が怒って夢に出てきそうなので、いくつかリメイクを頼んでみようかと思ったりしています。
コメント
話は変わりますが私は 透明水彩教室の生徒として玉川カルチュアーに通っておりましたが工事で中断とは残念に思っています。このコメントアップできるか不安ですが公開ボタンを押してみます。先ほど何回かエラーが出てしまいましたので。