6 空想動物園(東京国立博物館)
10月7日
東京国立博物館、東洋館で毎年開催される恒例企画「博物館でアジアの旅」、8回目となる今年のテーマは「空想動物園」とあったので、面白そう、と行ってきました
東洋館インフォメーションで無料配布の「博物館でアジアの旅 2021 調査ノート」をゲットして、「東洋館」の館内随所に展示された空想動物を探す旅へ。
はじめは五階9室から。
饕餮七宝卣(とうてつしっぽうゆう)
清の時代に作られた、手提げがついた七宝の蓋付き酒器。饕餮の顔が四段にわたって描かれていてなんとなくユーモラスですが、本当は人を喰らうおそろしい怪獣。饕餮といえば、酒見賢一さんの『陋巷にあり』第二巻に登場した記憶があります。『陋巷にあり』は、孔子が一番かわいがった顔回が主人公で、特別な能力があるという設定、顔回が饕餮を待ち受ける場面とても恐ろしかった、登場するまでが恐ろしいという描き方、ラブクラフトの『クトゥルー』に似ていて、人間の恐怖感の本質をうまくとらえているなあと思いました。
これは、殷時代に作られた饕餮文の鼎。こちらは顔が図案化されています。他にも饕餮はいくつかあります。時間があれば探してみるのも面白いです。
これは三階5室の揺銭樹のてっぺんにいる鳳凰。後漢時代1-2世紀に中国四川省周辺で出土した揺銭樹のてっぺんにいます。揺銭樹といえば、世田谷美術館で見た三星堆遺跡の衝撃が忘れられませんが、後代に発見されたこれもなかなかいいですね。
マイペディアによれば、鳳凰は「中国で麒麟・竜・亀とともに霊獣視された瑞鳥。雄を鳳,雌を凰といい、聖徳の天子の代に現れるとされる。『説文解字』では首は蛇,尾は魚,頷は燕,喙(くちばし)は鶏,背は亀に似て,五色の模様の羽根をもつ」とありますが、そんなにいろいろな動物が合体したキメラには見えず、まあ、せいぜい頭が鶏、尻尾は孔雀といったところでしょうか。
これは「青花鳳凰型皿」。小さなお皿の形になっているのが可愛いです。
その他にも龍(双柳、黄龍、翼龍など)、麒麟のお皿とか、則天武后に因む光宅寺の仏龕の上にある双頭の人面鳥などなど面白いものはたくさんありましたが、最後に「マカラ」をあげます。写真を撮り忘れてしまったので、博物館に頂いた調査ノートから。B1F11室、カンボジアのアンコール時代の石材にある彫刻。両端にいる怪魚マカラが口から水を吹き出したり、飲み込んだりしている、と解説にあります。「マカラ」は、日経新聞の文化欄に10回連載があったはず。切り抜きを探しましたが、みつかりませんでした。印象に残ったのは、日本のお城の上にあるシャチホコのルーツだという話。なんだか納得したのですけれど、どうでしょうか。新聞の切り取りが見つかったら更新します。
最後に、気になったのは、三階オアシス6にあったアジアの占いコーナー。アジアの占い、実際に行った時にやってみたかったのですが、言葉がわからないのであきらめました。今は、コロナでお休みとのことですが、再開したら、是非訪れてみたいです。ミーハーなエンディングとなりました。
コメント
ラヴクラフトのクトゥルー神話への言及も楽しく読みました。