33 沖縄迷い旅

沖縄迷い旅

   3月21日から三泊四日で沖縄へ。まだまだ自粛期間なのでしょうけれど、二人の退職記念旅行という名目でご容赦下さい。今回は少しダラダラ書かせていただきます。

                

                 ヒスイカズラ

 3月21日 羽田19時20分発JAL909便で那覇へ。前の席をみると、ん?なんだか普通のクラスJと違う。ボーイング727-200、国際線機材を使っているため、なんと、アジア便のビジネスクラス仕様。+1000円でビジネスクラス、というキャッチフレーズでも出せばお客さんが殺到しそうなのに、おっとりしたものですね。といっても満席で、こちらはもちろん普通席でした。13時15分、ほぼ定時着。

 モノレールで県庁前まで行き、沖縄唯一の百貨店「りうぼう」の地下で食料品の買い出し。沖縄産のものを捜したのに少なくて…神奈川産キュウリ1本80円ーーーい、いらないし。それでもお刺身やもずくや島豆腐、沖縄産トマトにドンク(!殆ど東京)のパンなどを買って、重い荷物を抱えて、モノレール旭橋駅へ。旭橋の那覇バスターミナルからリムジンバス(15:52発といっても遅れて16時発)で、 カフーリゾートフチャクコンドホテルに17時頃到着。 東急バケーションズの持ち分なので、食事はついていません。ホテルの食事は、高いし、量も多い(朝食は3000円程度のバイキング)ので、キッチンで腕によりをかけず…調味料もないので、お醤油や油、砂糖、塩などを少し持参しましたが、たいしたことはできませんので、買って来たお刺身やお惣菜で夕食。

 お天気はあまりよくないですが、海が見えて、少し夕日も射しています。ベランダの大きなベッドソファがいい感じ。暖かいし、海風が心地よいです。

  22日、翌朝は、雨模様。ホテルでぼんやり、ベランダで海を眺めて風にあたっています。朝もお昼も昨日買ったもので間に合わせて。 ベッドルームと居間が別なので、ゆったり過ごすことができます。15時にレンタカーが到着。連休明けなので、この時間にしか配車してもらえませんでした。トヨタの小型車ビッツです。

 2003年、19年前にいった今帰仁城へ。世界遺産になって立派な石垣に作り直されていました。     


    
                栴檀の花がもう咲いていました。


 でもなんか前ほどの感動がなくて、何故だろうと考えると、あの時は漢文で書かれた「山北今帰仁城監守来歴碑記」という石碑があったのでした。

  「山北今帰仁城監守来歴碑記」は、尚宣謨・今帰仁王子朝忠が、1749年に今帰仁城の永代管理と典礼を司ることを許されたことを記念し、その来歴を記したものだそうですが、碑文の最後に「皇清乾隆14年己巳秋八月穀旦十世孫 尚宣謨・今帰仁王子朝忠 謹立」とあります。「乾隆14年」、和暦なら寛延2年(徳川家重の時代)に当たるのですが、中国の元号で記してあったのです。沖縄では、琉球王国が1372年から明の冊封体制に入ったことで、主として中国の元号が使われてきましたが、1609年に薩摩の侵攻を受けてその支配下に入ると、江戸幕府とのやりとりを考えて日本の元号も使い始めましたが、主として中国の元号が使われ続けたのだそうです。

     https://ryukyushimpo.jp/news/entry-897513.html

 江戸時代になってからも、日本ではなく中国の元号を用いていた琉球王国の複雑な歴史を垣間見せてくれるようで、今帰仁城では、最も印象に残ったのでしたが、今回、城跡では見ることができませんでした。帰ってから調べると、2年ほど前に保全のために移転して、今帰仁歴史文化センター(チケット売り場の左手にある)に保管されているとのこと。その時は情報がなく、センターにも行きましたけれど、全く気がつかず写真は撮りそびれました。歴史文化センターHPにも展示品の情報はありませんが、沖縄県立図書館のHPに拓本がありました。

https://www.library.pref.okinawa.jp/item/index-1100816962_1005551591.html

 名護で食事の予定でしたが、18時を過ぎると殆ど閉まっています。唯一開いていた店は、よそ者ということで断られ、ようやく市役所裏の「ステーキハウス 鉄板焼 朝日」というお店に、相席でやっと入れてもらいました(あとで調べたら予約必須のお店でした)。お料理は、150gか200gのステーキを選び、スープ、サラダに、オニオン、ピーマン、モヤシ、キャベツを炒めたものの付け合わせ、ガーリックライス(パン、白飯も選べる)、で3500円くらい。お肉はシャトー・ブリアンという高級肉だとか。家人のつっこみが入り、国産ではなくニュージーランド産とわかりましたが、とてもおいしかったです。さきほど通ってきたところにたくさんあった「もとぶ牛」のステーキ屋さんならこの値段にはならないでしょう。マスターの話術もなかなか見事で、鉄板が暴れるとか、肉を磨くとか。うちに一番近いけれど、数えるほどしかいったことのない「うかい亭」での会話よりもずっと面白かったです。鉄板をあつらえるのは無理ですが、ステーキは、そのまま出すのではなくて磨く(筋をとったり、いろいろな下処理をすることらしい)というのをやってみようかな。

 家人は、いい気分になって生ビールを二杯も呑んでしまったので、運転は私です。夜だし、知らない道だし。カーナビは壊れていて使えない。大変緊張してハンドルを握っていたのですが、あと少しというところまで来た時に、家人が右では?というのです。でももう左に入ってしまった、58号線とあるから大丈夫、スマホ・カーナビも何もいわないし…。そして延々1時間30分、夜道をさまよい続けたのでした。海がみえれば方向がわかるのですが、暗いし、万座毛のAホテルの守衛さんに道を聞いたけれど、どうも逆だったらしくて、やはりUターン。今晩はたどり着けないのではないか、と思いつつ、40分で着くところを2時間かけて、ようやく宿に着いたのは9時でした。はい、すこぶるつきの方向音痴です。でも何故か家人は何も言わず。PCを私に教わり続けているので、こちらの苦手なことがあったのが嬉しかったようです(前から知っていたはずなのですが)。

 23日。翌朝、特に予定もなかったので、ふとフェイスブックを開くと、読谷村のMさん宅でヒスイカズラが満開、と書かれた記事が目に入りました。ちょうど帰り道の途中ではないですが。座喜味城の近くというし。今度は家人の運転で、58号線を残波岬という矢印の方向に右折。ちょっと休もうとコンビニに入り、戻ると車が動かなくなってしまいました。アクセスキーなんとかという見たこともない記号が点灯しています。説明書をみると、販売店に連絡せよ、とある。こちらがなんとかできるようなトラブルではないらしく、トヨタレンタカー北谷店に電話。待つこと1時間で、スタッフがやってきて、車を取り替えてくれました。雨が降り出したけれど、座喜味城へ。

 

駐車場にあった花、コガネノウゼン。沖縄ではあちこちに咲いています。
               


    座喜味城。門のアーチが有名です。





 広い、殆ど誰もいないお城。資料館でヒスイカズラの咲いているお宅への道を聞こうと思ったら、ちょうど休館日。その前のぜんざい屋さんも休みで、結局買い出しで残ったパンとお水でランチ。聞く人もいないので、あちこち訪ね歩き、MAX VALUEがあったので入って聞いてみると、このあたりは「Mさん」ばかりなのだとか(因みに読谷村は、全国一人口の多い「村」なのだそうです。ほとんど町にしか見えないくらい、いろいろなお店がありましたけれど)。あきらめようとした時、レジのお姉さんが、それ私のおじさんの家、と。教えてもらったけれど、その通り行っても見つからず、家人が、もう一カ所訪ねてみて駄目ならばあきらめようといって、ふっと入った道で左をみると、見事な青色のヒスイカズラが。先客のお嬢さんもいて、フェイスブックの威力はすごい、次々にお客が来る、とか言っています。花主の「Mさん」は嬉しそうにヒスイカズラの花を輪にしたり、水に入れたり。夜はライトアップまでするそうです。

  






       



   


 ああ、やっと見つけた、よかった。ヒスイカズラはフィリピン原産の花。沖縄では、露地で大丈夫、本州では温室でないと駄目、関東では小田原フラワーパークにあるのが有名だとか。他に神代植物園、熱川バナナワニ園にもあるそうです。
 こんな鮮やかなブルーの花は見たことがありませんし、形も面白く、勾玉のようです。
 勾玉の形については胎児説、魂説などがあるそうですが、私は魂説が好きです。和歌でいう「玉の緒」、魂が人の身体から抜け出てゆく時に、少し緒(尻尾)のようなものをひきずる形ではないでしょうか。
 
  
「今帰仁歴史文化センター」にあった勾玉のネックレス(碑はみつけられませんでしたけれど)。

こちらは科学博物館「宝石展」の糸魚川ひすいの勾玉




 車は約束の15時前に返却。トラブル続きのレンタカー、事故がなくてよかったですが、あまりの安さ(24時間 5000円)につられて申し込んでしまいましたが、そろそろレンタカーは年齢的にも限界だと思いました。

 疲れたので、タクシーで那覇市内のハイアットリージェンシー那覇 沖縄へ。オリオンビール飲み放題のクラブラウンジ。17時から19時まではローストビーフや沖縄料理なども出て、二人(実際には二食付)で23520円、東京のビジネスホテル並です。ハイシースンの沖縄ではあり得ない値段、やはりこんなところでもコロナ禍の影響があるのだ、と申し訳ない思いで、それでもこのホテルに着いて、心底ほっとしたのでした。

 3月24日(木)はJAL910便、 那覇14時発、羽田16時25分着。ビジネスクラス座席のクラスJのキャンセル待ちを頼みましたが、もちろん駄目でした。帰りは偏西風に乗って2時間強の旅でした。

 特にどこに行くという予定もなく、行き当たりばったりの旅でしたが、やはり旅は日常にないスリリングな出来事が満載でした。


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コメント

木の葉 さんのコメント…
沖縄の旅、最高でしたね。ご夫妻で気力、体力ともまだまだ充実していらっしゃるのは羨ましい限りです。今帰仁城も座喜味城も、思い出します。廃城だったけれど、今は随分整備されているんですね。読谷村のヒスイカズラも見事❗見所満載の記念旅行、楽しい雰囲気を追体験させて頂きました。
M.Nakano さんの投稿…
木の葉さん、いつも元気のでるコメントをありがとうございます。木の葉さんは、沖縄にはよくいらっしゃっていてお詳しいのですね。またいろいろ教えて下さい。

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