44 丸紅ギャラリー開館記念展Ⅱー行ってきました

 丸紅ギャラリー開館記念展Ⅱー行ってきました

 行ってきました。月曜日(6月27日)の午後です。ひどい暑さなので、あまり地上を歩かないように東西線の竹橋駅から。といっても地下道を結構歩きますが、地上に出てからは2分くらい、丸紅東京本社ビルの三階です。会社の中にあるから、普通の美術館と違って、日曜日お休みなのだ、と納得。

 思ったより人がいて、女性の二人連れが多く、着物姿の女性も。


 確かにすばらしい着物ばかり。出品目録と照らし合わせていると、番号が飛んでいます。7月2日までの前期展示のみなのでした。コレクションの中から厳選した44点を22点ずつ展示します、とあるから、22点しかなくてちょっと少ないですが、入場料が安いので仕方ありません。出品目録で、前期展示は●、後期展示は★のマークがついています。お目当ての「染分縮緬地源氏絵海辺模様小袖」は後期なのでありませんでしたが、どれもまさに眼福でした。 

 撮影禁止なので図録を買いました(ブログのための1100円の出費です(^^;))。そう高くはありませんが、色はもう一つかなといった感じで、実物の方がずっとすばらしいです。少しだけ紹介します。衣装の解説は図録を参考にしました。

  パンフレットやチケットの上部の図案(上の写真は入り口ですが、パンフレットと同じもの。舟の模様)としているのが、

 「9納戸紋縮緬地淀の曳舟模様小袖(なんどちりめんじよどのひきふねもようこそで)」です。

 江戸時代18世紀後半、勝川春章(1726?-1792)によるものと伝えられていて、描かれているのは淀川の三十石船で、舟子や船頭、乗客たちの表情が生き生きと描かれています。丸紅ギャラリーのロゴデザインのモチーフになっているそうです。

向かって左の身ごろにあるのは、綱で舟を引く人々。
小舟の部分が、パンフレットなどの図案。

  「1 紫縮緬地御所解文様染繍振袖  」

 天保ごろの製と考えられる武家の妻女の振り袖。松や桜、梅、牡丹、紅葉、菊、流水、葛屋などに、御所車や几帳、檜扇、冠、轡、鎧など、王朝風の和歌や物語、謡曲などの一節を暗示するような点景物を配した山水文様で、一般に御所解文様と呼ばれているそうです。

 御所車に芦と笠が配されているところは、謡曲の「芦刈」を表していると考えられています。謡曲「芦刈」は『大和物語』百四十八段がもとになっています。貧しい暮らしをしていた夫婦が、それぞれに暮らしを立てることにして、女は宮仕えから高貴の主の妻になりますが,男は蘆を刈って売り歩く極貧の生活を送る。年月を経ても前の夫が忘れられない妻は、他事にことよせて難波へ赴き,蘆刈りとなったみすぼらしい身なりの男に再会します。女に捜し出された男は,我身を恥じて和歌だけを残して姿を消します。この再開の場面をイメージした文様ですね。「芦刈」は谷崎潤一郎の小説にもなっています。 

                  ↑御所車↑笠と芦


  「3紅繻子地檜垣扇面夕顔模様縫箔」

  紅繻子地全体に摺箔(金の格子)で、檜垣模様を配し、腰から下は刺繍で扇を夕顔の花を表している、『源氏物語』における光源氏と夕顔の出逢いの場面を象徴しています。謡曲「半蔀」に用いられた装束と考えられています。

         


 美術館と同じフロアに軽食を食べられる喫茶店もあって、遅いランチを頂きました。13時30分までならランチタイムだったのですが、少し遅れたのでパスタのみ、900円でした。ガラス張りでお堀が見えるなかなかの雰囲気です。美術館の半券を提示すると1割引です。

 こうした着物とは比ぶべくもありませんが、家でタンスの肥やしになっている着物もたまには着なくては、と思うのですが、この暑さでは無理ですね。

 追加です。instagramをしている方は、下のリンクで、HPよりたくさんの着物を見ることができます。

https://www.instagram.com/marubeni_gallery_official/

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コメント

木の葉 さんのコメント…
丸紅ギャラリーの収集品の素晴らしさが伝わります。狩野永徳の上杉本洛中洛外図屏風には2千人以上の人々が描かれますが、女性の小袖の柄は当時の流行だったとか。日本女性は教養豊かでお洒落好き。その時代の最高のお洒落に触れるのは、さぞ至福の一時だったことでしょう。
M.Nakano さんの投稿…
 木の葉さん、いつもコメントありがとうございます。上杉本洛中洛外図屏風の小袖の柄について教えて下さって有り難うございました。全く気がつきませんでした。
 米沢に上杉本洛中洛外図を見に行ったことがあります。実物の展示期間は限られていて、レプリカしか見ることができませんでしたが、それでも見事なものでした。切手にもなっていますね。

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