26 東洋文庫見学 その3 付 ライデン大学のシーボルト庭園

 

東洋文庫見学 その3 付 ライデン大学のシーボルト庭園

 最後はイエズス会士書簡集、17世紀から18世紀後半にかけて、世界中でカトリックの布教活動を展開した書簡報告をまとめた26巻本で、東洋文庫所蔵のものは、王妃マリー・アントワネット旧蔵書と伝えられているのだそうです。展示されているのは、1737年ベトナム北部のトンキンでのイエズス会士の殉教の様子が描かれた図版でした。

(東洋文庫解説パンフレットより)
 
 図版はイエスズ会士の斬首の場面ですね。左上がマリー・アントワネットの文箱。百合のマークがありますね。これに入れていたということでしょうね。東洋文庫がこの図を展示しているというのは、断頭台の露と消えたマリー・アントワネットを連想させるからでしょうか。

 展示はこれくらいにして、階段を降りると、受付兼ミュージアム・グッズ売り場。左手にオリエント・カフェに通じる知恵の小径へのドアがあります。
 小径の木々は少し紅葉していて、広々とした中庭シーボルト・ガルテンの一部となっています。そこには、東洋文庫が所蔵するシーボルトの『日本植物誌』に掲載されている木々や花が植えられていて、シーボルトの日本人妻に因んだ学名をつけられた「オタクサ(あじさい)」が見事なのだそうですが、今は12月なので、よくわかりません。

 代わりにもならないかもしれませんが、オランダ、ライデン大学植物園のシーボルト庭園(日本から帰国したシーボルトが居住したライデンにあり、植物ハンターの先駆ともいえる彼が日本から持ち帰った植物を中心とした日本植物が植えられています)の写真をどうぞ(2009/8/5撮影)。
  
シーボルト胸像


         
             日本庭園があります。


 ライデン大学は世界初の「日本学科」が設立された大学だということからなのか、道真の和歌が書かれて、校舎の壁に掲示されていました。      


 幕末の政情変化により、永久国外追放処分が解除され、安政六年(1859)八月に日本を再訪したシーボルト(64歳)が収集してもってきた種子から育った木がいくつか植えられています。これはトチノキのようです。他にケヤキもあったようですが、説明の札があったのでこちらを撮りました。百五十年という歳月は、小さな一粒の種をこんな大木にするのだ、という感慨をもってしばらく眺めていました。
 ライデン大学の近くには、彼が住んでいた家があり、現在では「シーボルトハウス(シーボルト博物館)」となって日本から持ち帰った動物や魚貝類などが展示されています(撮影できませんでしたが、絶滅した日本狼の剥製が印象に残っています)。

手前から二番目の建物

     入口

 話を東洋文庫に戻します。ランチ・タイムです。
オリエント・カフェは小岩井農場と提携している気軽な洋食レストラン、近所の人も訪れる人気のランチスポットです。メニューに10食限定の日替わり重箱「マリー・アントワネット」があります。早速注文。


 本日はローストビーフでした。これにスープがつきます。
 うーん、上の写真とセットにするのはあまりいただけないかなあとためらいつつも、載せてしまいます。

 食後は紅葉が見頃の六義園散策の予定でしたが、皆さん年末でお忙しいのか、全員まっすぐ帰路についたのでした。

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コメント

木の葉 さんのコメント…
東洋文庫の奥深さを感じました。ライデン大学の庭園は、東洋文化への憧憬と愛情を感じます。素晴らしい画像を見せて頂き、得をした気分です。シーボルトのオランダの子孫と、オランダお稲の子孫とは、現在でも交流があるみたいですね。
木の葉 さんのコメント…
東洋文庫の奥深さを感じました。ライデン大学の庭園は、東洋文化への憧憬と愛情を感じます。素晴らしい画像を見せて頂き、得をした気分です。シーボルトのオランダの子孫と、オランダお稲の子孫とは、現在でも交流があるみたいですね。
M.Nakano さんの投稿…
木の葉さん

 コメントありがとうございました。ライデンは、オランダでは親日的な町です。シーボルト博物館の近くの壁には、上皇、上皇后陛下が博物館を訪れた写真が飾られているよ、と町の人が教えてくれました。こちらが日本人だと思ったのでしょうね。

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